イジメや不登校、病気や障害や金銭問題、何かしらのトラブルに苦しんでるとき。
自分はひとりじゃないと知ることが、大きな力になる。
医者や専門家のアドバイスより、同じ体験をした人からの言葉と共感に、心がいやされる。
同じ悩みを持つ人達のグループ「ピアサポート」もある。
だから、同じ体験があると、相手をはげましたくて
「自分も同じ、分かる!」と言いたくなる。
でも、ちょっと待ってほしい。
相手の苦しみは、「誰とも違うその人だけのもの」だ。
簡単に「分かる」と言ってはいけない。
そもそも、似たような体験をしていても、本当に完全に同じじゃない。
たとえば。1ヶ月不登校の人がいて、
自分も不登校経験者だったとする。
「自分は1週間学校に行けなかった、分かる!」と言ったら、
そんな短期間の不登校で分かったつもりにならないで!って思うだろう。
「自分は1年不登校だった、分かる」と言ったら?
相手は、1ヶ月学校に行けないだけでこんなに苦しんでるのに、その上の1年もとマウント取られた、1ヶ月で苦しいって言えなくなってしまった、と思うだろう。
たとえ同じ1ヶ月不登校だとしても。
どんな体験も、その人だけのものだ。
人と比べることはできないんだよ。
簡単に、「分かる」なんて言っちゃダメだ。
誰でも、自分の苦しみを分かってほしい。
でも簡単に分かってほしくない。
どうすればいい?
「あなたの苦しみを、分かりたい」
完璧に分かることはできない。多分。
でも、分かりたい。
相手を理解したいという気持ち。
それが、きっと、相手の心に響く。
人と人は、
「分からないけれど、分かりたい」心と心でつながっている。