今夜、もし眠りたいのに、眠れなかったら、思い出してほしい。
「眠る」ってどういうことなのか。
横になってじっとしても、意識はあるから、眠っていない。
意識は「眠れない、眠りたいのに眠れない」と考えている。
ときどき、手や足をもぞもぞ動かしたりもする。
時計をちらっと見たりして。
そのうち、いつのまにか眠っている。
眠ろうと思って眠ったんじゃなく、いつのまにか、意識がなくなっている。
意識がないのが、眠る?
起きているとき意識は、頭の中のコントロールルームにいて、ハンドルをにぎっている。
手や足をうごかすハンドル。
ハンドルを動かせば、まぶたをあけて、時計をちらっと見ることができる。
意識は自分の思う通りに身体を動かすことができる。
でも、意識が、ハンドルを手放すと……。
身体が動かなくなる。
かってに動いて寝返りすることもある。
意識が身体をコントロールできなくなる。
じゃあ、ハンドルを手放した意識が何をしているかっていうと。
ぼーっとしているときもあるけれど、いろんなことを考えている。
昨日の出来事やあれこれ想像したり。
そう!
夢を見ているんだ。
意識はハンドルを手放しても、「活動している」!
眠っているかいないかは、ハンドルを手放してるかどうか。
どっちにしろ、意識は起きてるんだよ。
だから、無理して眠ろうと思わなくていい。
ハンドルをにぎったまま、いろいろ考えていればいい。
ちゃんと休めているからね。
身体も心も。
眠るってどういうことなのか。
それを知ったら、眠ろう、と思わなくてよくなるんだよ。
そのままでいい。
ハンドルに手を置いたまま、ゆっくりしよう。
それで十分、休めているよ。