大人が教えてくれない、教えたがらないけれど、でも実はとても大事な、生きていくためのテクニック。
それが、「あきらめること」だ。
あきらめるな!って言われたことがあるかい?
あきらめることが、まるで悪いことのように。
そのくせ、大人は、誰でも必ずみんな、いろんなことをあきらめて、そして生きてる。
あきらめた自分を、見たくないんだな。
でもあきらめずに、生きていくことはできないよ。
受験に落ちて。
好きな人にふられて。
友達と違うクラスになって。
希望が通らなくて。
抽選に外れて。
落として無くして。
壊れてしまって。
背が伸びなくて。
誰かに負けて。
人に取られて。
病気になって。
年を取って。
必ず誰でも、何かしら、あきらめて生きていく。
がんばったり、努力したり、何度でもチャレンジしたり、あきらめないことはよいことみたいに思うけれど。
あきらめられないから、しがみついて、こだわって、腹を立てて、人に当たって、いつまでも前に進めないこともある。
あきらめることが、前に進むただひとつの方法ってときがある。
あきらめるという言葉は、あきらむ。明らむ。明るく見えるようにする。という意味からきていると考えられている。
悪いことじゃないんだよ。
いけないことじゃないんだよ。
本当は、大人がちゃんと教えなくちゃいけなかったんだ。
あきらめていいんだよって。
がんばることも、あきらめることもどちらも、良い悪いじゃない。
自分が生きていくために、前に進むために使うテクニックなんだよ。
いろんなことをあきらめて、そして、自分は「こういう人間だ」って、明るく受け入れて、生きていく。
大人は、ちゃんとそうして生きている。
だから、子どもも、あきらめていい。
明日のきみのためにね。