できないことができるようになるのは、うれしい。
子どもはそうして、発達していく。
でも、発達って、できないことができるようになるだけじゃないんだよ。
できたことができなくなる。
それも発達だ。
小さい頃は誰にでも話しかけていたのに、大きくなったら、人に話しかけるのが怖くなった。
低学年のときは変顔でみんなを笑わせていたのに、高学年になったら恥ずかしくてできなくなった。
学生のときは朝までオールで遊んでいたのに、大人になったらできなくなった。
人は変わってゆく。
変わってゆくことを、発達というんだよ。
できることと、できないこと、が少しずつ変わっていく。
誰だって、いつだって、できることと、できないことがある。
それが自分だよ。
できないことができるようになるのはうれしいけれど。
自分を追いこむことになりやすい。
なんとかして、できるようにしなくちゃと考えるとつらくなる。
今、自分にはできることと、できないことがある、と考える方がいい。
そして、できないことを、どうクリアしていくかを、考えよう。
朝おきられないなら、目覚ましを3こかける。
忘れ物をなくせないなら、ふせんメモを使う。
お料理ができないなら、お弁当を買う。
できないことが、できないままで、どうしたら、うまくくらしていけるかを考えよう。
人は一生、発達していくのだから。