棒でたたかれたり、刃物で刺されたら、キズつくように、
言葉でたたかれたり、言葉で刺されたら、心もキズつく。
心をキズつけるのは、いつも「言葉」だ。
体にはキズをなおす、しくみがある。
でも、キズが深ければ、なおるまで何ヶ月もかかる。
きちんと手当できなければ、悪化してしまうこともある。
心のキズも深ければ、なおるまで、何ヶ月もかかる。
体のキズがなおっても、キズあとが残ることがある。
心のキズも、キズあとが残ることがある。
体のキズがなおったあと、雨の日にしくしく痛むことがあるように、
心のキズも、ときどき思い出して痛むかもしれない。
転んだり、ケンカしたり、事故にあったりして、誰でもキズを持っている。
体にも心にも。
心のキズを手当てするのは、やさしくあたたかい言葉だ。
心をいやすのは、やっぱり「言葉」なんだよ。
キズは、君が生きてきたしるし。
キズを、かくさなくていい。
あたりまえのことだから。
それが、きみだから。
生きてきたあかしだから。
ほこりに思おう。
今、ここにいることを。