ウソは悪い。
誰もが、そう習ってきただろう。
正しいことはいいことで、ウソは悪いこと。
ウソをついてはいけない、と。
本当にそうだろうか?
確かに、ウソばっかりついている人と、いつも正直な人とだったら。
誰だって、正直な人とつきあいたいと思うだろう。
でももし。
「生まれてから1度もウソをついたことがない」
という人は?
人間は誰しも必ずウソをつく。
人にも自分自身にも。
だから、本心からそう言ってるなら、自覚がないだけだ。
でなければ、「ウソをついたことがない」という「ウソをついている」。
人はいくつもウソをつく。
「やってない」というごまかすウソ。
「あいつが悪い」という罪をなすりつけるウソ。
「知らない」と相手に優しくしているように見えて、逃げてるだけのウソ。
でも、本当に相手に優しいウソもある。
「痛くないよ、平気だよ」と強がるウソ。
「気にしてないよ」という気づかうウソ。
「ずっと一緒にいよう」っていう言葉がいつかウソになってしまうこともある。
だからって、
「現時点で未来は確定していないから、これからずっと一緒にいるとは言えない」
と正直に言う方がいいかい?
ウソにもいろいろあるんだよ。
ウソをついたことがない人なんていない。
人は生きるためにウソをつく。
でも
どうせなら、優しいウソのほうがいいよな。