正しい答を選びたい、と誰もが思う。
1たす1は……。
算数の問題には正しい答がある。
でも人生の問題には、正しい答がない。
どんな仕事をしたらいいのか。
誰と付き合えばいいのか。
どこに進学したらいいか。
どうしたらうまくいくか。
言うべきか、言わざるべきか。
メールを送るべきか。
人生の大問題も、日ごろの小さな問題も。
ときと場合と相手によって条件が変われば答も変わる。
時代によっても違う。
気分でも変わるし、好き嫌いもある。
どちらもよい場合もあるし、どちらも悪い場合もある。
それでもどれかを選ばなくちゃならない。
そういうときは、
「正しい答を選ばなければ」と思わないほうがいい。
いつまでも選べないからだ。
どっちを選んでも後悔するからだ。
よりよいほうを選べばいい。
そうすれば、どんなときも、未来は少しずつよくなる。
どっちも悪いときも、せめて少しでもいいほうを。
まったく同じなら、好きなほうを選べばいい。
自分で選んだというそれだけで、
それは、よりよい答になるから。
正しい答を選ぶんじゃない。
よりよい答を選ぶんだ。
それが、正しい答なんだよ。