血のつながっていない子どもへの告知

ステップ家族=血縁でない家族、の親は、

いつ、どうやって子どもに、

親兄弟と「血がつながっていないこと」を伝えるか、悩む。

物心ついてから、思春期を過ぎてから、自立してから……

傷つけないように、事情をわかってもらえるように話そうと思うほど、

いつどうやって話せばいいか迷い、

年月が過ぎていく。

 

自身の経験をふまえて考えるに、

物心ついていないうちに言うのがベスト、と思う。

 

物心、というのは、ものごとの善悪、意味を判断する力だ。

物心ついてから事実を知った子どもは、

「真実が隠されていた」という事実から、

「それは隠すべきことなのだ」「禁忌」であると考える。

幼いうちは事実を受け止める力がないから言わなかったのだという

大人のいいわけは通用しない。

 

けれど、物心つく前に教えられていた子どもにとっては、

親や兄弟と血がつながっていないのは、

善悪とはなにも関係ない、ただの事実だ。

やがて思春期になれば、

自分の生い立ちや家庭に、さまざまな独自の意味づけをするようになるが、

それは、ステップ家庭でも、そうでなくても、

同じように、思春期の子どもがたどる正しい道だ。

 

さらに、

自分の生い立ちが人と違うという事実よりも、

本当のことが隠されているのではないかという「不安」のほうがずっと

心をむしばむ。

ステップ家庭の子どもが大人になるまで完全に隠しておくことは不可能であり、

断片的な情報は、子どもを不安にさせるだけだ。

 

もしも、

もう物心がついてしまっているのに、まだ話せていない、

としても、遅すぎることはない。

今日この日は、

明日からもずっと長く続く、こどもの人生の

一番若い日なのだから。

今日、これから、話せばいい。

血のつながらない家族の、はじまりの物語を。

 

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この記事を書いた人

「フリースクールの先生をしてる、マナコだ!
28歳! 独身! 男!
言いたいことはひとつだけだ!
オレの生徒は、死なせない!
なにがあっても! 絶対に!
君ももちろん、オレの大事な生徒だ!」

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